以前、移住したばかりの地域おこし協力隊による「船での引っ越しレポート」をお届けしました。
今回はその続編。自分一人の体験談だけでなく、実際に利島へ引っ越してきたほかの方々はどうだったのか、3年以内に利島へ移住してきた方々へアンケートを取ってみました。
今回の記事では、移住3年未満の皆さまの引っ越しにまつわるリアルな声をご紹介します。

島への引っ越しと聞くと、
「荷物はどう運ぶの?」
「引っ越し業者は使えるの?」
「やっぱり内地よりもお金はかかる?」
など、気になることがたくさんあるはずです。
まずは、実際に利島へ引っ越してきた皆さまの引っ越し事情をのぞいてみましょう。
「初めての引っ越し、どうしたらよいかわからない…」と迷っている方、ご安心ください。
アンケートに回答してくださったほとんどの方が島への引っ越しは「初めて」という結果でした。また引っ越し元の地域もさまざま。関東圏からの引っ越しが多い一方で、九州から利島へ引っ越してきたという方もいらっしゃいました。

利島への引っ越し方法は主に、
・コンテナ輸送を利用する
・宅急便、郵便などを利用して段ボール箱で発送する
の2つです。
アンケートでは、段ボール箱で荷物を送った方の割合のほうが多いという結果になりました。
単身世帯でもコンテナを利用した方がいる一方、お子さまのいる子育て世帯でも段ボール箱ですべての荷物を送ったという方もいらっしゃいました。荷物の量だけでなく、何を持っていくかによって引っ越し方法を選んでいることがわかります。
注意点として、郵便や宅急便などは送ることができる荷物にサイズの制限があります。送る前に荷物のサイズを確認し、送ることができない大型の家具・家電がある方はコンテナで送ることを検討すると良いでしょう。
(参考サイト)東海汽船HP:東京諸島へのお引っ越しについて

費用については具体的な金額には地域や世帯によって差があったので、「内地での引っ越しと比べてどうだったか」を聞いてみました。一番多かったのは、「内地より大幅にかかった」という回答でした。その理由としては、「何を持っていけばいいかわからずあるものを全部持っていってしまった」「物の処分にお金がかかった」などの意見が寄せられました。
一方で、「内地より安かった」と回答した方々は、「荷物を大幅に減らしてきた」「入居する住宅に備え付けの家電があった」という理由でした。

アンケートでは、数字だけでは伝わらないリアルな声もたくさん寄せられました。
引っ越しで苦労したこと、持ってきてよかったもの、そして島での暮らしが始まってから感じたこと。ありのままの本音をご紹介します。

やはり、島への引っ越しの際、多くの方が苦労や戸惑いを経験していました。これから引っ越しを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
・引っ越し先(住宅)の情報が少なく、どんな場所なのかが見通せなかった。
・家電の購入店舗からは利島への発送ができず、新規購入したあとに一度実家に送ってから島に送るという二度の手間がかかった。
・実際に内見ができなかったため、大きな家具を持っていこうか迷った。解体ができなかった大きな家具は実家に置かせてもらっている。
・引っ越し業者への依頼が難しかったため、ほとんどの家具・家電をさまざまな方法で処分したこと。また荷物の梱包もすべて自分達で行ったこと。
一番多かった意見は、なんとカッターやハサミ。引っ越し当日は大量の段ボールを開封・片付けするため、「すぐ取り出せる場所に入れておくと便利」という声が複数ありました。利島には24時間営業のコンビニがないため、すぐ使うものは手荷物に入れておくと安心です。そのほかにも、島暮らしならではのアイテムが挙がりました。
・ハサミとカッター、解体した段ボールをまとめるテープ
・こだわりの洗剤、柔軟剤
・お湯だけで食べれるインスタント食品
・ポケットWi-Fi
・布団
・大きな冷蔵庫(魚や肉は冷凍で売られていたり、食料を大量にもらったりするので冷凍スペースを優先するとよい)
・酔い止め薬、頭痛薬や風邪薬などの医薬品
実は利島では、前の入居者が家具や家電をそのまま住宅に残していることも少なくありません。家電や収納家具など、不要なものを持ってこないためにも、事前に住宅の間取りだけでなく、家具や家電についても確認しておくとよいでしょう。
・大型家電、家具(何が家に残っているか、確認しておくのが必須!)
・加湿器(冬でも湿度が80〜70%程度あるため、逆に除湿機のほうが必要…)
・大きすぎるスーツケース (坂道で転がせない…)
引っ越しが終われば一安心。ですが、ここからが本当の島暮らしのスタート。最初の1か月は、生活の中で戸惑うこともたくさんあるでしょう。実際に暮らし始めてからどんなことで悩んだかという質問には、買い物やゴミの分別、生活リズムなど、日々の暮らしに関する声が多く寄せられました。
・ゴミの捨て方(細かい分別に慣れるまで大変!)
・荷物が何日くらいで届くのか、送料無料と書いてあっても本当にかからないのか不安だった。
・利島までは冷凍便が利用できない。
・ゆうちょ銀行以外のATMが無い。
・土日祝がお休みの商店、閉店時間に合わせた生活リズムに慣れず、バタバタしていた。
・野菜が丸々一個売りだったりするので一人暮らしには少し大変…。たまに内地に行くとスーパーでのお買い物が楽しくなる!
・気軽に外食できる場所が少ないため、基本的には毎日3食自炊しなければならないこと。毎日の負担を少しでも減らせられるよう作り置きや冷凍食品にも頼りながら現在も試行錯誤しながら対応している。
・初めて会ったときには名前を聞きにくく、2回目に会ったときにはなおさら聞けなくなってしまう。
利島は移住者も多く、引っ越しの経験者が身の回りにたくさんいます。不安な気持ちに共感してもらえる分 、「わからないことはなんでも聞くのがいい!」という声が目立ちました。そのほかにも寄せられた、先輩島民からの心強いメッセージをそのままご紹介します。
・たくさん不安があると思いますが、わからないことは現地の人に聞く!これがすべてだと思います。ただでさえネットに情報が少ない利島ですが、その情報が最新ではないことも多々あります。移住者が多い島なので、その分引っ越し経験者が多いです。素直にわからないことはなんでも聞いちゃいましょう!
・ずっとしまの記事を見て、真似するのがいいと思います!特に船事情はよく分からないので、不安なことは聞いたほうがいいと思います!
・困っても(本当に困ってる時ほど)なんとかなる。みんな困り事を打ち明ければ助けてくれる。
・全て「離島」扱いなので、フリマアプリは難しかったりしますが、ネットショッピングは案外2、3日で届くので買い忘れがあっても安心。冷蔵庫程度なら家まで配送もしてくれるので助かります。何より住所が「東京都 利島村〇〇(番地)」で終わるので、書くのがめちゃくちゃ楽です。
・私は前の家で使っていたものをまるっと持ってきた派です。引っ越しまでの時間に余裕がない&多少お金がかかっても良い!という方はそうしても良さそうです。
・娯楽は少ないですが、自然がすごく身近に感じられるため心が穏やかになります。また日々の食事にも気を使うようになり、健康的な生活が送れます!

この春新たに島に移住した方向けに開催した「利島の暮らし相談室」の様子
実際に経験した人だからこそわかる、利島への引っ越しのリアルな声をご紹介しました。
今回のアンケートでは、島への引っ越しならではの苦労や工夫、そして「なんとかなる!」という前向きな声まで、さまざまな回答が集まりました。この記事を読んで、「自分もそうだった」「わかる!」とうなずいた島民の方も多いのではないでしょうか。
島で暮らしていると当たり前になっていることも、移住したばかりの方にとっては新しい発見だったり、些細なことが不安だったりもします。今回のアンケートでは、「わからないことは島の人に聞いてみるのが一番!」という声も多く寄せられましたが、私もその通りだと思います。
島への引っ越しは不安や戸惑いもありますが、その一つひとつを楽しみながら乗り越えられたら、きっとその先の島暮らしも楽しめるはずです。これから利島への引っ越しを考えている方にとって、先輩引っ越し経験者のリアルな声が少しでも参考になれば嬉しいです。
アンケートにご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。