ずっとしま企画・島内かくれんぼ【前編】―「みんなで企画を考え、記事にする」ずっとしま編集部の新たな挑戦

読みもの

2026.11.01

#子育て #暮らし #注目情報 #移住

「ずっとしまで記事を書くために、島でイベントをやってみよう。」

人口300人の島・利島だからこそできることはなんだろう。そんなテーマのもと、参加者それぞれがアイデアを出し合い、編集部発信で一つの企画を記事にしていくことになりました。果たして、どんな企画が生まれたのでしょうか。

ずっとしま編集部が初めてゼロから企画した「利島村かくれんぼ大会」。開催までの舞台裏を、運営メンバーのコメントもあわせて前・後編でお届けします。

利島でできることを編集部で考えよう

2026年2月、大島でメディアを運営し、ずっとしまの立ち上げにも携わっていただいた東京都離島区のお二人をお招きし、【ずっとしまライター講座】を開催しました。この中でテーマとなったのが<「リアル」と「メディア」をつなぐイベントを考える>。ずっとしま編集部として初めての企画づくりに挑戦することになりました。

さまざまな意見を出し合う中で、「大人と子どもが一緒に遊べる企画」という方向性が見えてきました。
「利島だからこそできる遊びって何だろう。」
そんな問いから生まれたアイデアの一つが、テレビ番組で人気の企画『学校かくれんぼ』でした。

「利島なら集落を使ってみんなでできるんじゃない?」
その一言をきっかけに、「島内かくれんぼ」への構想が広がっていきました。不安もありましたが、「まずはやってみよう!」と、現場がポジティブな声であふれていたのが印象的でした。こうして、ずっとしま編集部初のオリジナルイベント「利島村かくれんぼ大会」が動き始めました。

<運営メンバーのひとこと>

実際に企画が動き出すワクワク感がある一方で、『本当にうまくいくのかな』という不安もありました。でも、小さな子どもから高齢者まで、職業も関係なく、島のみんなが一つの遊びを通して楽しみ、思い出に残るイベントになってほしいと思っていました。

こんなに小さな島の中でも接点がない人が意外といます。移住者をはじめ、これまで地域と馴染めずに孤独を感じている姿も見てきました。移住したての方や新しく利島にくる方にとって、交流のきっかけがあることはとても大切です。島暮らしに早く慣れて利島を楽しんでもらいたい、と心の中でずっと思っていたのでかくれんぼ絶対やりたい!と思いました。

そんな思いを胸に、編集部の挑戦が始まりました。

早速続々とアイデアが集まります

まずはプレ大会を開催

いきなり本番を迎えるのではなく、まずはルールを検証し、本当にかくれんぼができるのか確かめるためにプレ大会を開催することにしました。

フィールドは集落の一部。利島でも馴染みのある動物をモチーフに隠れる役を「マトリ(利島にやってくる渡り鳥のオオミズナギドリの通称)」、見つける役を「島ネコ」という設定にしました。参加者には「島ネコ」としてチームになっていただき、集落内に隠れる「マトリ」を探します。見つけたら声をかけてじゃんけんをし、勝ったら得点のついたカードをもらえるというシンプルなルールです。

「本当に楽しんでもらえるかな」「ルールはちゃんと伝わるだろうか」という不安もありましたが、ゲームが始まると、そんなことを考える余裕もなく、あっという間に時間が進んでいきました。

「マトリいたー!」
「見つかっちゃった~!」

と、集落内に笑い声が響き渡り、私たちが思っていた以上に、参加者はこの遊びを楽しんでくれている様子でした。

<運営メンバーのひとこと>

私はベンチに隠れるマトリ役でした。隠れている間、『見つけてもらえるかな…?』とドキドキしながら、立ち位置や座る場所を考えてこまめに動いていました。後半になって見つけてもらったときは、なんだか不思議と嬉しい気持ちになりました。

プレ大会を通して、運営をしていた私たち自身も、「これはもっと大きく、面白くできる!」という手応えを感じ始めました。

プレ大会、ルール説明の様子

成功したからこそ見えた課題

集落を舞台にしたプレ大会。約30名が参加し、運営の想像以上に楽しんでいただけた様子で大盛況のうちに終わりました。

プレ大会を終えたあと、参加者に残っていただいて振り返りの時間を設けました。参加者からは

「利島にゆかりのある動物が出てくるなど設定が面白かった。」
「小学生から大人まで一緒に遊べてよかった。」
「決められたチームで行動したので普段なかなか交流がない人と集落を歩くことができて新鮮だった。」

など前向きな意見をたくさんいただきました。

さらに運営チームの中で共通の気付きもありました。

ゲームの途中、じゃんけんで負けてカードがもらえず、悔しくて泣いてしまった子どもがいたのです。そのことを知った運営チームは「次こそはみんなが笑顔で帰れるイベントにしたい!」という思いを共有し、本番に向けての思いがさらに強くなりました。

実際にやってみたからこそ見えてきた課題は、どれも本番をより良いものにするためのヒントばかりでした。


<運営メンバーのひとこと>

みんなと話し合っていくうちに、形が見えてきてワクワクしました。一人ではできないことを、みんなで考えて実現できるということ。チームワーク、島ならではの人とのつながりの大切さを強く感じました。

プレ大会に参加してくださった皆様は、受け身で参加するのではなく、企画を自ら盛り上げようとしてくれる人が多かったように思います。協力してくださった方の意外な一面が知れたり、本当にみんな優しいなと胸が熱くなりました。

直前で通りかかった島外の方に声をかけ、かくれんぼに参加してもらいました。島の人だけでなく、さまざまな人と交流し、楽しめる企画を作れたのが嬉しかったです。

より一層気合いが入った運営チーム。いよいよ本番に向けた企画、準備が始まりました。

「もっと面白く」を形にする準備

プレ大会を終えてから、本番までの数週間。運営チームでの準備が始まりました。

普段子どもとかかわる仕事をしているメンバーが多かったこともあり、子どもがいかに楽しめるかという配慮も欠かさないように心がけました。

「もっとワクワクする仕掛けを入れたい。」
「でも、ルールはシンプルなままがいい。」
「子どもにも、初参加の人にもわかりやすいルールにしたい。」

湧き出るアイデアを一つひとつ整理しながら、ミーティングを重ねました。ルールの見直しだけではなく、カードや小道具はできる限り手作りにこだわり、「自分たちらしいイベント」にしたいという思いを込めて準備を進めました。

「なんだか私たちが一番楽しんでるかもね」

そんなことを言って笑いながら楽しく準備ができたのも心に残っています。

プレ大会終わりに記念撮影

次回、いよいよ本番大会開催!

プレ大会で見つかった課題を見直し、準備をして迎えた本番当日。ルールはどう進化し、どのような笑顔やドラマが生まれたのでしょうか。

後編では、本番大会の様子と、運営メンバーの想いをお届けします。お楽しみに。

普段から会っている大人もこの日は一緒に「遊び」をしました

この記事を書いたのは・・・

イシイエミコ

イシイエミコさん

利島村地域おこし協力隊・島暮らし2年目。埼玉県出身、元アパレルパタンナー。