「島への引っ越しって…どうやって運ぶの?」
島に来る前、移住することを伝えたほとんどの人から、この質問をされました。利島村へ届く荷物は、すべて海を渡って船でやってきます。もちろん、島への引っ越しも同じです。
今回は、2025年6月に利島村へ移住したばかりの地域おこし協力隊・イシイによる人生初の”船での引っ越しレポート&アドバイス”をお届けします。

Takeshiba⇒Toshima
利島に「住みたい!」と思ったとき、まず思いつくのが物件探しではないでしょうか。しかし、島には不動産屋も、引っ越し業者も…いません。
また、すぐに住める家も準備ができているとは限らず、勤務先(役場や事業者など)が住まいを用意してくれるケースが一般的です。
私の場合も村役場が用意してくださった「移住体験住宅」に住むことになりました。事前に島で直接内見はできませんでしたが、間取り図・備え付け家電のサイズ・室内写真などを細かく送っていただいたおかげで、部屋のレイアウトを考えながらスムーズに引っ越し準備を進めることができました。
どんなにお気に入りの家具を島へ運んでも、部屋に置き場がなかったら意味がありません。島の引っ越しでは、「置き場の確認」は内地以上に欠かせないポイントです。

利島への引っ越しはほとんどの場合、船会社の【コンテナ便】を利用するか、宅急便などでコツコツ送る【段ボール便】かの二択です。私はすべて段ボールに詰めることができる量だったので後者の【段ボール便】を選びました。
単身の引っ越しは4回目。もともとヤドカリのように住まいを転々としたい性格だったため、引っ越し自体には慣れていました。ただし、離島への引っ越しは人生で初めて。今までの引っ越しとは比べものにならないくらい気合いが必要でした。
利島への引っ越しはその分事前準備や工夫をしましたので、その手順を簡単にご紹介します。
いざ、引っ越し準備!まずは「大物家具・家電」から取り掛かることに。
私の住む「移住体験住宅」では冷蔵庫、洗濯機といった大型家電は備え付けだったので、使用していた大型家電は出張買い取り業者を活用し手放しました。また、テレビや掃除機などは友人に譲り、段ボールに入る家電はそのままヤマト便で島へ発送。
それから、愛着のあった自転車は泣く泣く近くに住んでいた友人に譲ることに。(私の可愛い自転車では利島の坂道には敵わないと断念…。)
次に「小物家具や衣類」などの箱詰めの作業に取り掛かりました。単身者の場合は、ヤマト運輸の宅急便または日本郵便を利用して、段ボールで発送するのが一般的です。
”大切なものほど過剰に梱包!”を意識して、段ボールを持ち帰り→荷づめ→集荷依頼、を数日かけて繰り返しました。そのほか島で使い道がなさそうなものは友人に譲ったり、リサイクルショップを活用。断捨離が苦手な私ですが、”船便”を想像すると、慎重モードになり少し荷物を減らせた気がします。
ここで私が利用した「段ボール」での引っ越しに関して、船輸送を考慮した注意事項についてまとめてみました。
実際に発送した荷物はすべて無事に住宅へ届けられており、船業者さん、島の事業者さんの丁寧な仕事に、とても感動したのを覚えています。
また、段ボールはすべて住宅の中に入れてくださっていました。こちらも大きく安心できたポイントのひとつ。せっかく送った荷物が雨ざらしになってしまわないよう、そのあたりも事業者さんと事前にしっかり相談しておきましょう。

備え付け家電が多かった私は大型家具・家電の引っ越しは比較的少なく済みましたが、冷蔵庫・ベッド・棚などの大型家具の場合、船便で送るより現地で買ったほうがラクな可能性が高いです。
「新しいものを買うの!?」と思うかもしれませんが、リサイクルショップや出張買取を活用すれば、新たな家具の購入費にもなり、買い替えの負担が抑えられます。もし複数人での引っ越しや大きい家具・家電が多い場合は、私のように配送業者を使わず、船会社のコンテナをつかって引っ越す方法もおすすめです。
また、購入店によっては運送業者の指定ができず、島への配送ができないことも。購入前に島内の事業者・購入店舗に相談してみると良いでしょう。
余談ですが、私は5年ほど前から離島移住を意識していたため、炊飯器をはじめとした調理器具や家電を必要最小限にして暮らしていました。
その結果、移住後に島での生活に合わせて”本当に必要なモノ”だけネット通販を使って後から新調し、今は以前よりも充実、そして快適に過ごすことができています。
「いつか離島に住みたい」と思っている方は、日頃から“モノを増やさない生活”を意識しておくと、いざというときに引っ越しがスムーズかもしれません。

「離島=物資が手に入りにくい」というイメージがあるかもしれませんが、利島の人々はネット通販も上手に活用して生活をしています。島の中には、コンビニや100円ショップといった”超便利!!”なお店はありませんが、基本的な日用品は農協や商店でもほとんど購入することができます。
私自身もティッシュや洗剤など、日用品を必要以上に持ってきてしまいましたが、今思えば「後からでもよかったかも」と反省をしました。
荷物が多くなってしまいそうな方、迷ったらこう考えるのがおすすめです。
<それ、今すぐ必要?>
焦って不要な荷物を送りすぎてしまうよりも、移住してから必要なものを島で調達したり、ネット通販を活用して購入するほうがラク+失敗が少ないです。
引っ越しに関しては島民に正直に相談してみるのが一番!わからないことや困っていることがあれば遠慮なく助けを求めてくださいね。

「島のスーパー」農協の営業時間は必ずチェック
荷物がすべて出発すると部屋とともに気持ちもスッキリ!同時に「ついに島暮らしが始まるんだな」とワクワクした気持ちになりました。
振り返ってみると、単身者の船での引っ越しは「思っていたよりもずっと楽だった」というのが個人の正直な感想です。
かなり懸念していた費用についても、段ボール10箱ほどでおさまり、私は内地での引っ越しよりも安く抑えることができました。(※大型家電があったら同じくらいだったかもしれません。)
もちろん個人差はありますが、単身者の【段ボール引っ越し】であれば費用はさほどかからないと思っていて大丈夫でしょう。
また、そう思えた理由のひとつには、事前にしっかり部屋の情報などをいただいていたこともありました。「大きすぎて家に置けない!」「組み立て式じゃないから部屋に入らない!」となれば発送を諦めることができますし、事前にレイアウトがある程度想定できたので、安心して荷物を送ることができました。間取り図や備え付け家具・家電などの有無の確認は最低限必要ですが、気になる場合は立地や扉の大きさなども必ず確認しておくようにしましょう。

もうひとつ、利島に引っ越しするうえで注意してほしいのが”天気”です。
船便はどうしても天候に左右されやすいところがあります。引っ越し時期は選べないと思いますが、特に冬の利島は荒天により就航率がぐっと低くなるのでより注意が必要です。
荷物や自分の乗る船が予定通り着かないこともあるので
・当日は必要最低限の荷物だけ手元に置く
・到着日に余裕をもたせる
・数日分の食料は手荷物で持っておく
など、移住直後のクッションをつくっておくと安心でしょう。

移住初日に撮影した、雨上がりの新桟橋
移住するきっかけは人それぞれですが、移住の決断には”勢い”が必要な場合もあると思います。しかし、引っ越しに関してはその”勢い”だけで飛び込むのは危険なことも。
困ったことがあれば先輩移住者に遠慮なく相談してみてください。私たちは、利島にやってきてくださる皆さまを歓迎しています!
また、引っ越しに関しては以下のサイトもご覧ください。
今回お話したのはあくまで私の体験談であり、おそらくスムーズに引っ越しできたほうなのでは?と思っています。
そこで次回は、実際に島内の移住者に行った「引っ越しアンケート」も配信予定です。そちらも楽しみにお待ちください!