
「利島といえば椿」と答える方は多いと思います。
椿産業は利島の一次産業のひとつで、なんと江戸時代から続いているそうです。
私は利島に移住して11年目のIターン者。移住後に子どもが生まれ、我が子にとって利島は「ふるさと」になりました。そんな子どもたちに、利島を代表する椿産業をもっと身近に感じてもらえたらと思い、5年ほど前から島の方に椿山をお借りして、休日限定の“副業椿農家”を始めました。
椿農家の作業は、夏には椿山に生い茂る雑草の刈り取り、秋から春先にかけては椿の実を拾います。
子どもと一緒にできる作業は主に「実拾い」なのですが、冬の寒さの中、山で拾い集めるのはなかなか大変。正直、家から出るのも嫌がられるのが現実でした。そこで試しに「椿の実100gで100円制度」を導入してみました。
最初のうちは喜んで拾ってくれていたのですが、次第に飽きてしまい、最近ではあまり椿山に足を運んでくれなくなってしまいました。
どうにかもう一度、子どもたちが椿山へ行きたくなる方法はないか…。
そんな時に思い出したのが、昨年村で行われた「南が山園地」でのイベントです。
利島の南側にある「南が山園地」は、晴れていれば御蔵島まで望める絶景スポット。
そこで開催された子ども向けイベントでは、大きな木に遊具を取りつけ、自然の中で思いきり遊ぶ時間が設けられていました。
我が子も参加し、「また南が山園地で遊びたい!」と言っていたことをふと思い出しました。
伊豆諸島の先々の島々が並ぶ雄大な景色が楽しめる南が山園地からの眺め
思い立ってAmazonで、木に簡単に取り付け・取り外しができる遊具を探しました。
注文したのは「スラックライン」「クライミングロープ」「ぶら下がりブランコ」の3つ。
数日後、段ボールを開けた瞬間の子どもたちの目が輝いていたのが印象的でした。
最初の休日、さっそく椿山の木に取り付けてみました。
「どの木にする?」と相談しながら一緒に設置。初めての設置には20分ほどかかりましたが、今では10分もかからずできるようになりました。
遊び始めると、誰が先に使うかでケンカが起きるほどの人気ぶり!
私もつい、椿の実拾いを忘れて一緒に遊んでしまいました。自然の中で思いきり遊ぶ時間の豊かさを、改めて実感しました。
その後も、子どもたちからは「また遊具つけて!」とおねだりされるように。
遊具があることで椿山に行くきっかけにはなったようですが、肝心の実拾いは……まあ、ほとんどやってくれません(笑)
次は「お弁当を持っていって、遊んで、食べて、少しだけ実拾いをする」作戦を実行しようと考えています。とはいえ、まずは“椿山に足を運ぶ”というきっかけを作れたことが、自分としては大きな成果だと思っています。