
2025年6月から、地域おこし協力隊として利島にやってきた小抜ひかるさん。
システムエンジニアという経歴を持ちながら、農家でアルバイトをしたことをきっかけに、農業への関心が深まったそうです。同時に「自然のあるところで暮らしたい!」と思いが強まっていたところ、良縁が重なって利島へ。
今回は、同じく地域おこし協力隊として活動するイシイがインタビュアーとして、小抜さんのこれまでの経歴や活動に対する想いを伺いました。
東京都内、下町文化が色濃く残る地区で育った小抜さん。
Sケン(S字型の陣取りゲーム)、ドロケイなど、自分たちでルールを決めて自由に遊ぶ日々を過ごしました。
「相手の動きを見ながら俯瞰し、戦略を練っていましたね。」
と語る当時から策士タイプな小抜さん。冷静に分析し、適正な判断をしてくれる姿が想像できます。
自らが表に立って目立つというよりも、表舞台を裏で支えることが好きだったという性格は、その後の高校生活でも発揮されていたようです。
「高校では、文化祭実行委員会、体育祭では団の中の有志団体幹部を務めていました。一番達成感があったのは、イベント当日の朝ですかね。イベントが始まってしまえばもう流れに身を任せるだけなので(笑)」
と校内行事でも積極的にイベントの主催側に加わり、そのやりがいを感じていたそうです。
「大学では発展途上国の現状を知り国際機関や日本の取り組みなどを学びました。その後、システムエンジニアとして就職し、10年以上現場で働いていました。」
サラリーマンとして働き続けるキャリアプランに限界を感じ、10年後の人生を模索している中で、ふと「土に触りたい…!」と思ったそうです。
そこで近所の畑でボランティアを始めました。
「そこで出会った畑のオーナーがとても親切で、理解があり、自営業者としても私のメンターでした。」
と語る小抜さん。
積極的にイベントを開催し、地域の交流も大切にする農園のオーナーは、小抜さんに農業の魅力を存分に教えてくれただけでなく、次への一歩を踏み出すきっかけも与えてくれました。
ボランティアでお世話になった農園
野菜づくりやヨガなど…幅広く多彩な趣味をもつ小抜さん。中でも、大人になってどっぷりハマったのが「バイク」!
「あるタイミングでバイクにまたがる機会があり、その瞬間に『私バイク乗りたい!』って言っていた、幼少期のころの自分をパッと思い出しました(笑)」
そんな直感的なバイクとの出会いから、その後免許を取得。バイクを購入する際に目に留まった一台がKawasakiの大型バイクでした。
当時ひと目惚れした大型バイク
利島にくる際に泣く泣くバイクは手放してしまったそうですが、島内をバイクで巡る小抜さんの姿もいつか見てみたいですね。
異業種から地域おこし協力隊として利島へやってきた小抜さん。どのような気持ちの変化があって利島への暮らしを決意したのか、その経緯を伺いました。
「サラリーマンとして過ごしていた時代、私には将来の明確なビジョンが持てず、ジョブチェンジを決意しました。
そんな時ふと『土に触れたい』と感じたことをきっかけに、偶然畑での仕事に巡り会いました。次のステップを考えた時に、より自分らしい暮らしや仕事をしたいと自分自身を見つめなおし、『豊かな自然のある環境で暮らしたい!でも東京を離れたくない!』と引っ越し先と仕事を検討しているところでした。」
そんな時に小抜さんが目にしたのが、【利島村地域おこし協力隊】の募集情報。
「そこからいろいろな情報を見聞きしているうちに、利島に対して好奇心が湧き、この魅力をもっと身近に感じたいと思い、引っ越してきました。」
求人を見かけたことがきっかけで、実際に利島を訪問したときにその魅力を間近で感じ、移住を決断したそうです。
ご自身の人生にモヤモヤしていた時期を経て、次のステップを模索していた小抜さんにとって、利島の豊かな自然や温かい人々とのつながりは、「移住」という決断に心を動かすほどに、とても大きな魅力に映ったのではないでしょうか。
小抜さんに人と関わるときにどんな言葉をもらうと嬉しいか、という質問をしました。
「『一緒にいて安心する』と言われると嬉しいですね。仲が深まるほどそう言ってもらえるように感じます。」
畑でいきいきと作業を進める小抜さん
小抜さんのルーツを辿っていくと、彼女がどんな性格でなぜ利島にたどり着いたのかを感じることができました。
活動と同時進行で、早速利島でも畑を借りて、「この土地で育った野菜を食べたい!」という夢への第一歩を踏み出した小抜さん。利島での生活も、野菜とともに今ちょうど芽を出し始めたところ。
今後、小抜さんがこの利島でどのように活躍されていくのか、非常に楽しみです。